住まいのアドバイザー

木の家をおすすめする8つの理由

いくら時代が移り変わっても、人が住まいに求める要素は、変わることはありません。春夏秋冬、一年間通して心地よく過ごしたい。家族みんなが健やかに、安全に暮らしたい。そして万が一の際にも、慌てず騒がず安心して対処したい・・・・。
そうしたニーズにお応えしようと当社がおすすめするのが、日本の風土が育んだ伝統ある「木の家」です。

「木の家」のもつ数々の素晴らしい性能をご紹介いたします。

1 素材としての強さ

  1300年以上も行き続ける木

木は伐採された後、含水率が下がる事で、強さが次第に増していくという特徴があります。圧縮・引っ張り・曲げなどに対する強度は、およそ200~300年経った頃にピークを迎えるといいます。そして1000年ほど経って、ようやく伐りだした時と同じ強度に戻ります。健立されて1300年以上も経つ奈良の法隆寺も、その強さは建てたばかりのときとさほど変わらないというわけです。

  鉄やコンクリートよりも強い木

下のグラフは、さまざまな建材の比強度、つまり強さに対する強さの度合いを比べたものです。木は、鉄の4倍以上の引っ張り強度、コンクリートの5倍以上の圧縮強度を誇っているのがお分かりいただけるでしょう。このように木は、押したり引いたりする力にバランスよく抵抗する特性をもっており、まさに構造材として最適の材料ともいえるでしょう。

各種材料の重さあたりの強度比較

各種材料の重さあたりの強度比較

2 災害に対する強さ

  木は鉄よりも火に強い

驚かれるかもしれませんが、木は優れた耐火性能も備えています。下のグラフをご覧下さい。鉄やアルミニウムなどの金属素材は、高温になると急速に強度が低下してグニャリと曲がってしまいます。これに対して柱や梁などの太い木は、燃えると表面に炭化層が生まれ中心部まで火が進まないので、強度低下が極めてゆるやかなのです。

  軽くて、丈夫。だから地震にも強い

地震による揺れのエネルギーは、建物の重さに比例します。優れた強度を持ちながら、同時に軽さも兼ね備えた木の家は、地震の影響も少なく、大きな被害も受けずに住みます。これまでの大地震でも、大型ビルは破壊しても、木の家は丈夫だったという報告も数多くなされています。

加熱による強度の低下

加熱による強度の低下

3 工法の優位さ

  どんな敷地に対し、将来の増改築も簡単

軽くて扱いやすい木で建てる在来軸組工法は、狭小地や変形地、傾斜地、道路条件の悪い敷地でも自由に建てられます。また将来の増改築も、建物すべてを一休化させる構造の鉄筋コンクリート建築やプレハブ建築に比べ、手軽に簡単に行なえます。歳月の流れとともに、家族のライフスタイルは変わっていくもの。それに対応してこそ、初めていい住まいと呼べるのではないでしょうか。

  住まいを快適に演出する屋根形状

「西欧の家は壁の建築、日本の建築は屋根の建築」と言われるように、日本伝統の工法である在来軸組工法は、屋根に大きな特徴があります。深い軒や庇は、夏の日射しをさえぎり、冬は日差しを室内までたっぷりと取り込む事ができるので、躯体をしっかり湿気から守っています。

工法の優位さ

4 優れた断熱性

  夏涼しく冬暖かい、木の住まい

木の熱伝導率は下のグラフで示されているように、コンクリートの10分の1、鉄の500分の1しかありません。この低い熱伝導率が木独特のほどよい温もりを生み出すのです。また木の壁や骨組みは、断熱材と合わせて優れた断熱性能を発揮し、夏はそとの熱気を伝えず、冬は室内の快適温度を逃がさない効果があります。

  屋根の形状も優れた断熱構造に

木造軸組工法では、屋根のカタチも、夏の暑さや冬の寒さを緩和する仕組みになっています。つまり勾配屋根となることで屋根と天井の間に空気層が生まれ、これが断熱材の働きをするわけです。一方、コンクリート造の陸屋根は、こうした空気層がないため、熱気や冷気が屋根を通して直接室内に伝えられてしまいます。

材料の違いによる熱伝導率

材料の違いによる熱伝導率

5 適度な調質性

  常に適度な湿度状態にコントロール

木材は、湿度が高い時は室内の湿気を吸収し、乾燥すると水分を放出し、室内を一定の湿度に調整するという特性を持っています。正倉院の宝物が1300年もの間、見事に保存されてきたのは、この優れた吸放湿性のおかげ。こうした機能は自然素材であるきならではのものといえるでしょう。

  住まいの大敵、結露も少なく

寒い冬、冷たい壁にジメジメとした水滴が付着する結露は、湿度のアンバランスから生まれます。結露は壁を汚すだけではなく、住まいの寿命にまで大きな影響を与えます。木材の室内の余分な湿気を吸収し、不快な結露が発生しにくい環境を作ります。

加熱による強度の低下

加熱による強度の低下

6 人へのやさしさ

  生き物にとって良好な住環境を提供

木製、金属性、コンクリート性の飼育箱で生まれたばかりのマウスを育てる実験が静岡大学で行なわれました。これによると、生後23日目の生存率は85%に対し、金属が41%、コンクリートにいたっては7%と大きな差が生じました。これをそのまま人間に当てはめることはできませんが、木が生き物にとって好ましい住環境を与えることの、ひとつの証明と言えるのではないでしょうか。

  足の裏から伝わるやわらかさと温もり

人が歩くとき、床が硬いか軟らかいかで、疲れ方が大きく変わってしまいます。下の図をご覧ください。ガラス玉が割れる高さが低いと言うことは、それだけ床が衝撃を吸収しないということ。私たちが歩く時も、これと同じように、硬い床では衝撃がまともに関節に加わり、歩きにくく感じるわけです。また、熱伝導率の低い木の床には独特の温もりがあり、足元からの冷えを防いでくれます。

人へのやさしさ

7 目や耳への心地よさ

  光をやわらげ、紫外線を呼吸

強い日差しが金属やタイルに反射すると、目がチカチカして疲れます。これは反射率が大きすぎるために起こるもの。木は反射率が50~60%で、これは人間の目に最も心地よいレベルとされています。さらに木は、有害な紫外線を吸収し、温かみを感じさせる紫外線を反射させる働きもあります。

  耳に心地よい、適度な吸音性

劇場やコンサートホールなどの建物は、木が多く用いられています。これは木が不快感を伴うような高湿部と低音部を吸収する働きがあり、ほどよい音響空間となるからです。コンクリート造の自分の声が耳につくというのは、コンクリートが必要以上に音を響かせてしまうから。逆に和室には、畳の吸音性により、思わず耳をすませたくなるような心地よい静かさが残ります。

目や耳への心地よさ

8 大自然のちから

  木の家が実現する森林浴効果

森の中を歩いていると不思議と静々しい気分になります。これは森に生い茂る木々が発する香気によるもので、この中には、フィットンチッドという抗菌・殺菌作用のある物質も含まれています。木は木材となった後もフィットンチッドの効果を持続させ、たとえばヒバは蚊を寄せ付けず、檜には消炎、鎮静、鎮核作用があります。木の家は居住性だけではなく、こうした健康面の効用もあったのです。

  環境への負担が少ない木の家

地球資源の枯渇が呼ばれる中、計画的な森林計画を遂行していけば、森林はほぼ永久に供給し続けられる資源であると言われています。しかも鉄やアルミ材の場合、製造課程で膨大なエネルギーが消費されているのに比べ、木の家は大変少ないエネルギーで済み、環境への負担も最小限に抑えられます。伝統が育んだ古くからの木の家。それを現在、もっとも新しい住宅として感心が寄せられれているのです。

大自然のちから